どんなドラマか
奴婢の子として生まれ、幼くして朝鮮を離れた少年が、米国海兵隊の将校となって故国に戻ってくるところから物語は始まります。再会した朝鮮は、列強が利権を奪い合い、国の行く末が日ごとに揺らぐ土地でした。その真ん中に、表向きは端正な両班家の令嬢でありながら、ひそかに銃を取って義兵の道を歩む女性がいます。恋愛ドラマの形をとってはいますが、実際には、崩れゆく国でそれぞれ異なる場所に立った人々が何を守ろうとしたのかを問う作品です。
朝鮮王朝末期を舞台に、米国の軍人となって戻った男と、ひそかに銃を手にした両班家の令嬢を描く時代劇です。時代の重みと人物の選択の味わい方をまとめました。
奴婢の子として生まれ、幼くして朝鮮を離れた少年が、米国海兵隊の将校となって故国に戻ってくるところから物語は始まります。再会した朝鮮は、列強が利権を奪い合い、国の行く末が日ごとに揺らぐ土地でした。その真ん中に、表向きは端正な両班家の令嬢でありながら、ひそかに銃を取って義兵の道を歩む女性がいます。恋愛ドラマの形をとってはいますが、実際には、崩れゆく国でそれぞれ異なる場所に立った人々が何を守ろうとしたのかを問う作品です。
脚本は『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』『太陽の末裔』を手がけたキム・ウンスク。演出は、その二作でもタッグを組んだイ・ウンボク監督です。心に残る台詞と、広く丁寧に作り込まれた映像が、時代劇という大きな器で再び出会いました。主演はイ・ビョンホンとキム・テリ。ユ・ヨンソク、キム・ミンジョン、ピョン・ヨハンが、それぞれ異なる立場と信念を持つ人物を演じ、物語をともに動かしていきます。五人が一人の主人公を中心に回るのではなく、それぞれの理由で同じ時代をくぐり抜けていくことが、この作品の骨格です。
舞台は、朝鮮が大韓帝国へと国号を改め、外国からの圧力が強まっていった時期です。米国や日本など各国の公使館、軍人、商人が都の通りを行き交い、見慣れない舶来品と古い身分秩序が同じ画面に収まります。教科書の数行でしか知らなかった時代が、人の顔や日々の暮らしとなって迫ってくるところが、このドラマの大きな魅力です。ただし主要人物や出来事の多くは創作なので、実際の歴史とは分けて観るのがよいでしょう。気になる場面があれば、観終わったあとに歴史の本をひもとくと、味わいがいっそう深まります。
主要人物たちは身分も、国に対する思いもさまざまです。朝鮮に見捨てられた人にとって祖国はたやすく愛せる存在ではなく、多くを持つ人には守るべきものと手放すべきものが同時にあります。このドラマは誰が正しいかを急いで決めず、それぞれがなぜその選択をするのかをじっくり見せてくれます。最初は冷笑的だったり身勝手に見えたりした人物が、どんな瞬間に心を変えるのか、あるいは最後まで変えないのかを追ってみてください。人物ごとの話し方や服装の違いも、その人の立ち位置をさりげなく物語っています。
映像も台詞も手間をかけて作られた作品なので、次の点を意識すると場面の質感がよりよく見えてきます。
キム・ウンスク作品の台詞は、短くリズミカルに繰り返されることで知られています。現代劇ではこの繰り返しが軽快な楽しさを生んでいましたが、本作では時代の重みと結びつき、より重く響きます。軽い冗談のように交わされた言葉が、後半になるにつれてまったく違う意味を帯びることが多いので、最初に聞き流した台詞も覚えておくとよいでしょう。古風な言い回しと現代的な表現が混ざっているため、はじめは少し戸惑うかもしれませんが、数話観るうちにこの作品ならではの言葉の味として自然に耳になじんできます。
銃撃や処刑、拷問といった暴力的な場面が少なくありません。国が失われていく時代を描いているため全体に重く悲劇的な空気が流れており、気軽に楽しめる恋愛ものを期待していると、思った以上に胸が重くなるかもしれません。一話が長めで全24話と話数も多いので、最初の数話は人物関係を整理するつもりで、ゆっくり観ることをおすすめします。登場人物が多くて混乱しそうなら、主な人物の名前と関係を簡単にメモしながら観るのも一つの方法です。
歴史を背景にした長編ドラマが好きで、一人の人物の選択が時代とぶつかり合う物語にひかれる人によく合います。同じ脚本家と監督による『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』が好きだった人なら、似た台詞の味わいをまったく違う重さで感じられるはずです。華やかな映像美を楽しみたい人にもおすすめできます。反対に短くテンポのよい展開が好みなら、序盤のゆったりした呼吸が長く感じられるかもしれないので、週末に数話ずつまとめて観るのが合うでしょう。観終わったら、同じ時代を扱ったほかの作品や本へと関心を広げてみるのもよいと思います。
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